原油価格が下落でも幸福になれない? [エネルギー]
原油価格が下落でも幸福になれない?
原油価格はここ1年で一気に半分以下まで下がりましたが、これに
より私たちの生活は楽になるのでしょうか。
答えはNOです。それは電気代が5月から昨年に続き再値上げされ
るからです。日本の発電所は主に天然ガスで動いているので、原油価
格が下がったからといって電気代が安くなることは無いらしいのです。
天然ガスは下がらない
天然ガスは取扱が厄介で効率的に運搬するには、まず巨大な冷凍庫
のような装置で液化してやり、それをLNG船で運び、消費地でもうい
ちど液体から気体に戻してやる必要があります。
日本は中東諸国から天然ガスを買っていますが、多大な先行投資が
必要な天然ガスは、その契約の過半数が融通の利かない長期契約なの
で、すぐに原油価格の下落で安くなりそうもありません。
もし恩恵をこうむるとしたら車関係でしょう。まずガソリンが少し
安くなり、アメリカで日本車の販売が好調になリそうです。
ただ日本はガソリン消費量の少ない、「エコな国」になっているの
で、普段クルマに乗らない都心に住む勤め人には、原油安のメリット
は余りないかもしれません。
石油関連商品が多少安くなるかもしれませんが、これも円安で吸収
され踏んだり蹴ったり、せっかくの原油安何かいいことはないか、み
んなで探しましょう。
原油価格の下落でガソリンも下がるのかな? [エネルギー]
原油価格はここ1年で一気に半分以下まで下がりましたが、原油価格
とガソリン価格の関係はどうなっているのでしょうか。
ガソリンは原油から作られますから、基本的にガソリン価格は原油
価格に連動します。しかし、過去の値動きを見ると、原油価格の動き
に比べて国内のガソリン価格の動きは緩やかな動きになっています。
原油価格の下落によって、国内のガソリン価格も下がったのですが、
レギュラーガソリンの店頭価格は数%程度の値下がりにとどまってい
ます。同じ期間で、米国のガソリン価格は20%程度下落していますか
ら、日本の値下がり幅が小さいことは明らかです。
それでは何故原油価格が半分以下なっても、ガソリンの値下げ幅が
小さいかと云うと、ガソリン価格に占める原油の割合が小さいからで
す。
4割は税金
ガソリン価格のうち約4割が税金(消費税、揮発油税、関税など)
で占められており、原油のコストは4割程度しかありません。税率は
一定ですから、原油価格が下がったとしても、ガソリン価格全体の
値下がりは小さいです。
日本のガソリン価格が原油の値動きと直接連動しないのは、ガソリ
ン価格に占める原油の割合が小さいからです。
米国はガソリン価格が安く、税制も大きく異なっています。米国の
ガソリン代のうち税金が占める割合は2割以下であり、原油価格の変
化がガソリン価格に反映されやすくなっています。
為替が相殺
また日本の場合には、原油のほぼすべてが輸入に頼ってますから
為替の影響を大きく受けます。最近の円安の影響で原油価格の下落を
為替が相殺してしまっています。
原油価格は大幅に下落しても関連商品の値が下がらないのは、な
んだか悔しい気がしますが逆に値上げして他の関連商品まで値上げ
されてもは困るので、まずは良しとしましょう
原油価格の下落が止まりません [エネルギー]
原油価格の下落が止まりません。
原油価格はここ1年で一気に半分以下まで下がりました。
1990年代、原油価格は1バレル=20ドル程度でしたが、新興国の急激
な経済発展などから価格が急騰し、一時は1バレル=140ドルまで相
場は上昇していました。
それが今年1月には心理的節目である1バレル=50ドルを下回り、
その後も下落が続いています。原油価格はなぜ急激に下落したので
しょうか。
それには二つの理由が考えられます。
中国や欧州の景気低迷によって、世界的な石油の需要が緩むとの
思惑が出てきたことです。しかし、背景にはもっと根本的な原因が
あります。それは、米国でシェールオイル開発が進み、世界最大の
石油消費国である米国が、エネルギーを自給できる見通しになった
ことです。
米国は原油産出量の10%を輸入していますが全体の1割がダブつ
くわけですから、市場原理として価格は大幅に下落することになる
わけです。
もう一つの理由は石油精製に手間ひま掛かり割高なアメリカのシ
ェールオイル算出に対抗する為、OPECがわざと価格を下げてア
メリカにシェールオイル開発を諦めさせようとしてるのではないか
とゆう見方です。しばらくは損をしても長い目で見ると石油の売り
手市場を維持して行きたいわけですね。
これまで産油国の多くは価格下落に減産で対応してきましたが、
OPECは減産する国がありませんから、価格は下がる一方になり
ます。
この価格下落がどこまで続くかということなのですが、基本的な
原油の余剰は解消されないため、長期にわたって安値が続くと予想
されています。
100ドルを超える原油価格の方がむしろ異常だったと解釈する方が
自然でしょうけどね。