東芝家電部門「美的集団」に売却 [経済]
東芝家電部門「美的集団」に売却
東芝は、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電事業を中国の大手家電メーカー「美的集団」に売却する方向
で最終調整に入ったそうです。かつて世界市場を席巻した日本の白物家電ですが、アジア系メーカー
はコスト競争力を背景に攻勢を強めていて、日本勢は太刀打ちできなくなった様です。シャープも台湾
の鴻海(ホンハイ)精密工業の下で再建を目指す方向で、日本勢の「技術力」と「ブランド力」を狙う
アジア系メーカーに、日本メーカーが事業売却を余儀なくされたようです。
これまでアジア系メーカーは安価な人件費を元に、新興国市場を中心にコスト競争力で飛躍してきまし
たが、新興国の景気停滞が長引く中、今後は先進国への進出を目指す必要にせまられていました。
日本メーカーの冷蔵庫の大容量化技術などや先進国を中心に世界の市場で成功したブランド力は、アジア
系メーカーがもっともほしい部分でした。また白物家電は技術革新の余地が大きく今後も飛躍が見込まれ
ることなどが、アジアメーカーが買収攻勢を強める理由がありそうですね。
実際、アジア系メーカーは知名度のある企業を次々と傘下に収めています。中国のハイアールが2012年
にパナソニック子会社の三洋電機から冷蔵庫事業などを買収したことを皮切りに、米GEの家電部門も買収
しています。NECも中国の聯想(レノボ)グループとパソコン事業を統合しています。ただ、ブランド名
はシャープや東芝の社名を残すらしく、アジア系メーカーでは信用されない事情と、様々な思惑が交差し
ているらしいですよ。
今後到来が想定される全てのモノがインターネットにつながるIoT時代では、家電から得たデータを利用
した新たなサービスの登場によって家電の買い替えが進む可能性が高くなります。つまり、家電が壊れてか
ら買い替えるのでなく、ネットによる色々なデータから家電の買い替え時期を予想し、販売攻勢を仕掛ける
やり方です。その時に日本メーカーの持つ技術やブランドを活用したいとの思惑があるらしいのです。日本
の独壇場のような家電市場でしたが、今後はアジアメーカーと共存共栄の時代になりそうですね。
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